鼻骨骨折整復手術
2017年10月11日
病態
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鼻骨骨折は顔面の骨折の中で最も頻度が多いものです。
外からの力の加わり方(野球のボールや肘・膝が当たってなることが多いです。)によって変形の仕方は多様で、ハナスジが曲がったり、ハナスジが落ち込んだりします。
手術の適応について
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多くは美容的な問題から行います。
レントゲン写真で骨折が認められても、美容的な問題(鼻の変形)がなければ、保存的に経過を追って行くこともあります。
手術時期
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受傷後、2週間以内に行うことが多いです。
2週間までは、骨折した鼻骨の可動性があり、皮膚の切開を行わなくとも手術が可能ですが(非観血的整復)、2週間を超えると曲がった位置で骨折が固まり、皮膚切開をしないと整復手術(観血的整復)が出来なくなります。
麻酔方法
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小児では、全身麻酔が必要な事がありますが、通常、局所麻酔のみで手術が可能です。
鼻の中に局所麻酔剤を湿らせたガーゼを入れ麻酔を行います。
麻酔が不十分なときは、骨折部に局所麻酔剤を注射します。
手術方法
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剥離子という金属の薄っぺらな棒を、鼻の中から陥没した骨の下に入れ外力が加わったのと反対方向に力を入れ持ち上げます。
そのとき、整復されると、カチッという音がします。
再度、変形しないように、ギブスの目的で両方の鼻の中にガーゼを入れます。(2~3日後に抜きます。)
注意点
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- ガーゼが入っている間は、鼻が詰まります。
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- 感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。
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- ガーゼを抜いた後、4週間は強く鼻を打つと再度変形を起こすことがありますので注意してください。
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- 出血は、ほとんどありませんが出血が止まらない時は医院までご連絡ください。